2010年11月のイスラムの行事ー犠牲祭

イスラム教の二大祭りのひとつです。これは西暦とは異なりイスラム暦にしたがっているので、毎月日付は変わり、今年の2010年は11月17日となっています。今年の詳細はコチラへ。

「イード」はアラビア語で、「幸福や歓びを祝う」という意味があります。これにはイード=ル=フィトルとイード=ル=アドハーの二つがあり、前者は断食月ラマダーンの終った翌日の第十月一日を断食明けとして祝い、後者はバッジ(大巡礼)の行事が終った翌日の、ズル・ヒッジャー(第十二月)の十日を祝う犠牲祭であります。

 預言者ムハンマド(かれの上に平安あれ)がメッカを脱出してマディーナへ移った後、かれは街の人びとが余りにも多くの祭事を祝っている事を知り、異教徒のこれらの祭事ではなく、アッラーに定められた、イスラーム教徒にとっての二つの祭事、すなわち二つのイードだけを祝うよう、イスラーム教徒に告げました。この二つのイードは、すべてのイスラーム教徒個人個人、およびイスラーム社会全体のための感謝と祝福の日です。イード=ル=フィトルは、断食のつとめが終ったことを、そしてイード=ル=アドハーは巡礼のつとめが終ったことを祝うものであり、断食と巡礼の二つは唯一の神アッラーに仕えるイスラーム教徒の重要なつとめです。

「イード」は歓びとしあわせの場であるけれど、軽率に振舞ったり、食べすぎたりして快楽の奴隷となってしまってはいけません。「イード」にわれわれイスラーム教徒の感じる歓びとは、充足感にあり、規律・信心、そして集団礼拝についての神の教えを守ってきたという精神的よろこびです。

二つの「イード」の日には、イスラーム教徒はまず神への礼拝を行い、そして困窮者への喜捨、友人縁者の訪問、贈物の交換などをして一日を過ごします。「イード」の精神は、平和と寛容の精神にあり、この日には人びとは、これまで隣人に抱いていた怨恨や悪意をすべて忘れて、この日を友愛の精神で、新しい人間関係を培う門出としなくてはならないとされています。
「イード」の日の礼拝は、日の出から正午までの間に行い、ジュマァの礼拝と同じように集団で行うものとされています。しかし、女性の場合は、もし希むなら家庭で礼拝してもよく、いずれの場合でも礼拝の前には必ず沐浴して身を清め、清潔な衣服を身につけなくてはならなくて、イードの前に新しい服を買う人が多いです。

「イード」の礼拝のあと金曜日の礼拝と同じように、イマームの説教が二回に分けて行われます。

イード=ル=アドハー(犠牲祭)のときは、犠牲のつとめを人びとに強く説くことになっています。「イード」の日とその次の二日間、すなわちズル=ヒッジャ(第十二月)の十日、十一日、十二日には、一家族につき山羊か羊一頭を、そして七家族につき牛一頭を犠牲に捧げます。肉の三分の一は自分たちで用い、残りの三分の二は生肉のまま貧しい人々に分けたり、友人や縁者への贈物とします。

<イスラミックセンタージャパンから引用>

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